第6章 入団
「あぁ兵士長殿!私の可愛いナナをいじめないでねー!」
そう言いながらハンジさんは、私の背中をリヴァイ兵士長の方へトンっと、押した。
「し、失礼します!!」
私はエルヴィン団長と分隊長のお二人に頭を下げ、入れ、と顎で入室を促すリヴァイ兵士長の後について執務室へ入った。
リヴァイ兵士長の執務室は、必要最低限の机と棚、ソファなどの家具だけが置いてあった。
「これからここを掃除する。手伝え。掃除が済んだら、私物の整理をする。」
「はいっ!」
そう言うと、リヴァイ兵士長は三角巾を頭と口元に巻いた。初めてみたそのなんとも言えない彼の雰囲気と姿のギャップに、思わず目を丸くした。
「………なに見てんだ。」
「いえ………。」
可愛くて、とは口が裂けても言えない。いや、言ったら本当に口を裂かれるかもしれない。
「俺はまず掃き掃除をする。お前は窓の拭き掃除だ。」
「はい!」
リヴァイ兵士長は箒を手に、隅々まで綺麗に掃いていく。私はバケツに水を汲み、雑巾を絞って窓を拭き始めた。
何やら視線を感じると思ってリヴァイ兵士長の方を振り向くと、物凄く怖い顔でこちらを見ている。
「………!」