第6章 入団
自室を確認し、脱いで畳んだ自身の洋服を空いている棚に置いた。私は急いでリヴァイ兵士長の執務室へ向かう。その時、ちょうど団長室の扉が開いた。
「おっと。」
「エルヴィン団長!」
エルヴィン団長の後に続いて、ハンジさんが団長室から出てきた。そのあとに続いて、二人の調査兵が出てきた。大柄な彼らに、一気に見下ろされる。
「ちょうどよかった。ナナ、彼らを紹介しよう。分隊長の二人だ。」
「分隊長、ハンジ・ゾエはもう知っているな。もう一人の分隊長、ミケ・ザカリアスだ。」
「ナナ……エイルです。リヴァイ兵士長の専属補佐として入団致しました。宜しくお願い致します。」
私が一礼をすると、ミケ分隊長は大きな身体をかがめ、私の首筋ですんっと息を吸った。
「?!」
「ああ、ごめんね。彼は鼻が利くから……あなたを確かめたの。変な奴でしょ。」
ミケ分隊長は身体を起こすと、少しだけ口角を上げて笑った。
「ナナ、これから本当によろしく!リヴァイにこき使われ過ぎて疲れたら、いつでも私のところにおいでよね!」
「俺が、なんだって?」
快活に笑うハンジさんの向こう側から、掠れた声が飛んできた。