第6章 入団
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驚いた。
リヴァイ兵士長が、私の歌を聞きたいと言った。今までの中で、一番緊張した。私が歌い終えた後、歌詞の意味を聞かれた私は答えることができなかった。
この歌をワーナーさんから教えてもらった時、私にはリヴァイさんに贈るための歌にしか聞こえなかった。だけど、まさか本当に本人に向かって歌うことになるなんて。口ごもった私を見て、リヴァイ兵士長は引き下がってくれたけど………いつか私がもっと胸を張って、リヴァイ兵士長の横に並べるようになったら、伝えられるだろうか。
あなたに贈ったこの詩の意味を。
お守りのクラバットを胸に抱きながら、頭の中を様々な思いが駆け巡る。いけない、物思いにふけっている場合ではなかった、着替えた後には、リヴァイ兵士長の執務室でさっそく仕事を手伝えるのだった。
私は慌てて兵服に着替えた。驚いたことに、測ったかのようにぴったりだ。初めて袖を通す、自由の翼があしらわれたジャケットは、ずっしりと重みを感じた。
ハンジさんの研究室を出る時に、チラリと窓に映った自分を確認する。そういえば、長い髪が目立つとか……言っていたな……。
私はお守りのクラバットを細く折り畳み、リボン状にして髪を高く結い上げた。