第62章 帰還
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リヴァイ兵長に抱きかかえられて戻ったナナは、俺を見て眉を下げて『探してくれてありがとう』と言って笑った。
俺のせいなのに。守るどころか、危険に晒して―――――俺はどんな顔をすればいい。
「―――――過ちは誰にだってある。………酷い事言ってごめん、サッシュ………。」
リンファがバツが悪そうに目線を伏せて言った。
「――――いや、もっともだ。……お前にも、話すべきだった。相手がアーチなら、リンファの言う事なら聞くかもしれなかったのに――――――。」
「??なんで?あたしの言う事アーチが聞くの?」
「――――お前本当に鈍いな。」
「??」
兵舎に帰った翌日ナナは休養して、その次の日には今回の一連の騒動の真実が繙かれた。
幹部の皆さんと共に、アーチのことに関して話す事がある俺も団長室に呼ばれた。
「―――――索敵4班……が、マシューさんに………殺された………?」
ナナは青い顔をしてその事実に耳を傾けていた。
「――――ああ。横目で見ただけだが、首を掻き切られて―――――転がってた。巨人にやられた傷じゃなかった。」
「それで………マシューさんは………?」
「俺が殺した。」
「――――――!!」
リヴァイ兵長のあまりに直球な言葉に、一同が言葉を失った。
「懸命な判断だったと思うぞ。マシューをそのままにしておけば、他の班もやられていた可能性が高い。更に索敵能力を失えば、巨人による襲撃も増え――――――これ以上の犠牲が出ていただろう。」
「――――話が読めないんだけど……。」
ハンジさんが口を開いた。