第60章 慕情　※

心の内を伝えると、エルヴィンはまた上体を起こして、私の両膝を掴んで左右に開いた。





「――――本当に嫌だったら、痛かったら、すぐ言ってくれ。」



「――――うん。……私はどうすれば……エルヴィンは………気持ちいい………？」





私の問いに、愛おしいと顔に書いたような表情でまた小さくキスをくれる。



「ただ感じて、鳴いてくれたらいい。それだけで興奮する。」



言い終える前に、律動が始まる。子宮も骨盤も揺さぶれるように、激しく。





「―――あぁっ……、ひ、あ゛っ……！」



「――――ふっ……、狭い、な……っ……！」





ギシギシとベッドが軋む。

その音が、どうか――――――リヴァイさんに、聞こえていませんように。そんな事が頭を過る。

でもすぐにその心配さえも突き飛ばされて、エルヴィンが望むように私はただただ快楽を追って喘いでいた。

がくがくと震え、意識を保つのもやっとだ。

途中、身体を返されて後ろから責めたてられると、どうにも弱いところに当たって何度も達してしまった。

愛液とは違う体液が腿まで滴ってきて、シーツにぱた、と落ちる音をかすかに感じたけれど、もう……なにもかもよく、わからない。





「――――何度も吹いて…………可愛いな…………。感じて、いるのか……？」



「あぅ、あっ、はっ…んぅ…っ…、ぅくっ、……ッあ……！」



「――――あぁ、イきそうだ、ナナ………！」





乾いた嬌声を発しながら、時々逃げようと腰が自然に引けてしまうけれどそれももちろん許されず、すかさず太く固いものが突き入ってくる。

再びエルヴィンは私の体を返し、初めて身体を繋げた時のように覆いかぶさった態勢で私を揺さぶる。

なんて、余裕のない表情。

エルヴィンのこんな追いつめられた表情は初めてで、私は歪んだ優越感を抱いた。





「―――――…っ……出すよ、ナナ……っ……！」





もう声にもならずただその衝撃を受け止めて、体内がまるでエルヴィンを受け入れる器の形にされてしまうのかと思うほどかき乱され、エルヴィンの熱が放たれる直前に、私は意識を手放した。