• テキストサイズ

【進撃の巨人】片翼のきみと

第60章 慕情 ※




「――――……リヴァイ兵長って、地下街出身、だよな……?」

「はい。―――――………サッシュ、さん……?」



なんだろう、サッシュさんがなにかにひどく怯えている。



「――――サッシュさん、質問の―――――……意図を……教えてもらえますか……?」



サッシュさんは片手で顔を覆うようにして俯き、掠れるように呟いた。



「………っ……なんでよりによって……っ………!」

「――――え………?」

「―――――いや、なんでもない………。」



サッシュさんは葛藤の末に何かを決断したような鋭い目をして、私に背を向けて足早に去っていった。

嫌な動悸がする。

何を思い詰めて、何をしようとしているのだろう。







「―――――エルヴィン団長。少しお話したいことが。」

「――――ん?」

「―――――壁外調査も迫っていてお忙しいのに……すみません……実は……。」



夜、団長室での執務中に一段落した様子のエルヴィン団長に声をかけ、昼間のサッシュさんの様子がおかしかったことを話した。



「―――――君は何か引っかかっていることがあるんだろう?」

「はい、様子が変だと思ったのは、サッシュさんが実家から帰って来てからです。ここからは想像ですが、今年から憲兵団に配属になった弟がいるとのことで………その弟と何かあったのかな、とは思っていたのですが……。」

「憲兵団……か………。」

「………マシューさんのこともあって……私が憲兵団に敏感になり過ぎているだけかも、しれませんが………。」



エルヴィン団長は少し考えて答えた。

/ 3820ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp