第59章 伝播
「―――――……あ?」
「扉を蹴破ったのも、書物を持ち去ったのもお前だろう。意図はなんだ。」
「―――――…………。」
「―――――リヴァイ兵士長が………?」
「――――――ちっ………。」
そう言ってリヴァイは立ち上がると、ソファの下から無くなったはずの書物を全て取り出した。
「…………なんで………。」
ナナが小さく呟く。
「今夜これを全て俺達に話せ。そして今夜限りでこれは全て焼き払う。」
「―――――え………?」
リヴァイの口から告げられたことに、ナナの瞳が揺れた。
「―――――待てリヴァイ、それはナナの所有物だ。そんな急に言われても納得できるはずがないだろう。まずそこに至るまでの経緯を話せ。」
「―――――いいだろう。」