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鬼滅の刃〜炎の絆〜

第3章 家族の絆ー後編ー


時代が変わっても変わらないもの。


その中の一つに“家族の絆”が含まれている。


ずっと昔に一度壊れてしまったけれど、一人の女性の命と引き換えに取り戻した絆。


時を超えてもなお、その絆は強く繋がっている。



*****



ピクニックも終わり家に着くと、槇寿郎が家の玄関の扉を開けて中に入る。

瑠火、杏寿郎も槇寿郎に続いて中へと入る。

千寿郎は玄関の前で振り向いて、「姉上、お帰りなさい!」と大きな声で言った。

千寿郎の行動に思わず目を見開くが、クスクスと笑って頭をポンポンと撫でた。

「ただいま、千寿郎」

桜の行動に今度は千寿郎が目を見開く番だった。



“帰ってきたら頭を撫でて「ただいま」と言ってほしいです。約束です!”



ずっと昔、姉上が任務へと赴く前に交わした約束。そしてそれが叶うことはなかった。

その約束を今世で姉上とした覚えはない。

「姉上、もしかして……」

千寿郎の呟きに桜はニコッと笑って、千寿郎の手を引き家の中へと入っていく。

千寿郎の目からは涙が溢れていた。



*****



事故に遭遇する前に見た悪夢の内容は覚えていない。


自分の中にあるのは、幼少の頃から鬼殺隊で命を落とすまでの記憶だけだ。


けれどそれで良い。


あの頃の自分達があって今があるのだ。後悔はしていない。


そして今度こそ、私たち“家族の絆”が壊れることはないだろう。


巡り巡って、深い絆で結ばれているのだから。





ーーENDーー
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