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鬼滅の刃〜炎の絆〜

第3章 家族の絆ー後編ー


「煉獄さん……!」
「クソッ、俺たちが加勢しても足手纏いにしかならねぇ」

炭治郎と伊之助はもどかしい思いを胸に、ただ杏寿郎の無事を願いながら見ている事しかできないでいた。



「鬼になれ杏寿郎!そして俺と永遠に戦い続けよう」

杏寿郎と向き合いながら一方的に話をする猗窩座の後ろに桜はふわりと舞い降りて、両肩に手を置き耳元でそっと話しかけた。

「こんばんは。…今宵は月が綺麗ですね」
「ひっ!女…!?何で女がいるんだ?!」

話しかけられるまで気配を感じ取れなかったのは、杏寿郎との話に集中していたからなのかもしれないが…、流石に「ひっ!」はないだろう。

そんな事を思いながら猗窩座の繰り出す攻撃を軽やかに躱していく。

「鬼へのお誘いはあまり魅力的ではありませんね。お茶のお誘いなら歓迎しますが」

え、お茶ならいいのか?!と二人のやりとりを見ていた誰もが思ったが、生憎それを口には出さない。

そして猗窩座は、お茶云々よりも桜の動きを見て口角をあげ嬉しそうに笑った。

「その身のこなし、お前も柱だな。俺の攻撃を避ける速さは人間にしては見事だ!だが、女であるが故に腕力が弱すぎる。残念だな、それでは俺を斬るなど夢のまた夢だ」

そう言いながら楽しそうに攻撃を仕掛けてくる猗窩座。正直避けるので精一杯な上に、相手は武術の達人。攻撃しようにも隙がない。

流石は上弦ノ参。今まで出会った鬼たちとは何もかもが違う上に威圧感が凄い。

……こんなのと一人で戦っていたのか、杏寿郎は。

躱すだけで精一杯の桜だが、それでも杏寿郎が上弦ノ参に攻撃できるならばと持ち前の俊敏力でなんとか対応している。

「桜さん、煉獄さん……!」
「ギョロギョロ目ん玉も煉子もスゲェ…」

猗窩座の攻撃を躱す桜と、その隙を見て技を繰り出す杏寿郎。見事な連携だ。言葉にしなくてもそれが出来るのはお互いのことをよく理解し、そして二人の息があっているからこそだろう。

だが、上弦ノ参である猗窩座はその上を行く。

杏寿郎が斬ってもすぐに回復してしまう。その回復の速さは凄まじく、人間をたくさん食べた証拠なのだと思うと虫唾が走る。

「…猗窩座さん、あなたの目的は柱を葬ることですか?」
「俺の目的とは違うが…柱は殺すように言われている」


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