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鬼滅の刃〜炎の絆〜

第2章 家族の絆ー中編ー


柱合会議も終わったので久しぶりに蝶屋敷へ帰ろうとした時、後ろから声をかけられた。

「どう言う事か説明してもらおうか」

ガシッと右肩を不死川、左肩を杏寿郎に掴まれ、後ろには面白そうに見ている宇髄としのぶ。

甘露寺と伊黒は少し離れたところからこちらの様子を伺っており、悲鳴嶼と冨岡、時透の三人は帰ったようでもういない。

「説明って何の説明?」
「とぼけるな。鬼を連れた坊主とお前の関係だァ」

「あらいやだ、実弥くんってば嫉妬ぉ?」なんて言ったら、頭を叩かれた。痛かったけど本気じゃないところをみると優しさと愛を感じるわ。…口には出さないけれど。

しかし勘違いした人物が一人。

「不死川!桜とお付き合いするのは結構だが、清く正しいお付き合い以外は認めないからな!!」

少しズレた意見をハッキリと述べる杏寿郎。そんな杏寿郎に「ア"ア"?何の話してんだァ?」とキレ気味に言う不死川。

およよ、と涙を流すふりをして「私のために争わないで!」と間に入る桜。


何だこの茶番劇。


この場にいた誰もが心を一つにそう思った。

そして厄介なのは杏寿郎だ。

桜は明らかにお遊び混じり。それに対して杏寿郎は本心で言っているのだ。冗談が通じていないのか…、良くも悪くも真面目すぎた。……面倒臭いほどに。

だが忘れてはいけない。桜は誰よりも杏寿郎の扱いに長けている。話が長引く前に「この話はこれで終わりね」とスパッと話を切って終了させた。

流石だ、と誰もが思うが、そもそもこんな事になった原因は桜なのだから、何とかしてもらわなければ困るのだ。

そしてその後、お館様に炭治郎や新人隊士たちと共に行動するよう命じられていたことを話した。

「だからと言って、半年も音信不通とかあり得ませんよ」
「うっ」
「長期任務と聞いてはいたが、連絡が途絶えていたからな!流石に肝が冷えたぞ!!」
「…ごめん」
「心配しただろうが。今度から連絡ぐらい寄越せやァ」
「……はい」
「派手にやらかしたなぁ、桜」
「宇髄さんほどじゃないですよ」

「俺は何もやらかしてねぇわ!」と叫ぶ宇髄を地味に無視して、しのぶと共に産屋敷邸を後にした。

「相変わらず宇髄には冷たいな!」

ははははは!と豪快に笑う杏寿郎。

別れの時は刻一刻と迫っていた。

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