第6章 偉人のまねをしてみましょう
その日の昼休み。
廊下を歩いていると、一年の教室の近くで人集りが出来てるのを見かけた。
何か、揉めてるような声もする。
何だろうと思って近づくと、人垣が一瞬割れてイタチが見えた。
「あれ…?」
対する相手は体躯の大きい男の子三人。
あれって確か最上級生の人。
柄悪い事で有名だったような…。
何だろう、イタチが喧嘩なんて珍しい。っていうか全然結びつかない。
遠巻きに見る人に混じって私も見る事にした。
イタチならあんなチンピラ擬きの一人や二人、どうとでも出来るしね。
万が一劣勢になったら加勢しよう、と思いつつ様子を見る。
「九尾に里を襲わせたのはお前らのせいなんだろ?」
聞こえた言葉に、思わず眉を顰めた。
「里の大人はみんな言ってるぜ。うちは一族が九尾に里を襲わせたって。お前らは狡賢い一族だから犯人は絶対捕まらないだろう。が、犯人は必ずうちは一族にいる。その証拠に火影様達もお前らを疑ってるから里の端っこに集められたんだってな。」
…何それ。
何か話聞いてると、腹たってくるな。
勝手に決めつけといて証拠もないのに犯人呼ばわり。
大体、犯人はうちはだって言い切るなら、その犯人捕まえてこいよって話じゃん。
隈なく調査したの?
はっきりした上で言ってんの?それ。
犯人は別にいるって知ってるから余計に腹立つ。
碌に調査しないまま勝手に里が決めた事に、犯人呼ばわりされる筋合いないよね。
ムカムカしながら聞いていると、やれお母さんが九尾のせいで死んだだの、叔父さんやお父さんが死んだだの、とまるでうちはのせいみたいに言っていた。
…そんなん、うちはだってあったっつーの。
里全体が攻撃されたんだから、うちは一族のせいじゃないじゃん。