第19章 お別れと始まり
「お願いがあります!!」
私の大声に、二人が振り返る。
「弟子入りさせてください!!」
「はぁぁ〜!?」
綱手様は思いっきり呆れ、隣の人は唖然としている。
「私は…。」
うちはの名前は敬遠されるかもしれない。
でも、今言わなくてもいつかは分かることだ。
「私は、うちはエニシです!」
「うちは…!」
やっぱり…。
二人の顔が瞬時に強張った。
「綱手様の医療忍術を教えてください!」
「断る!!」
くっそ、即答かよ。
でも絶対引かない。
引くもんか!!
「お願いします!!」
「里に帰って下忍にでもなってろ!」
それが出来たらここにはいないわ!
「無理です!…私はもう里には帰れません。うちはは全滅しますから。もうした後かもしれないですけど。」
「…どういう意味だ。」
「そのままです。うちはイタチがうちは一族を終わらせます。うちはサスケを残して、一人残らず殺しますから。」
綱手様は怪訝な顔をした。
疑ってるみたいだ。
けど、これは本当の話。
「…何故お前が知っている?知っているならどうして止めない?」
止めたかったさ、私だって。
けど、全部空回りだった。
無意味だった。
「…知っていても止められなかった。どうにも出来なかったんだ。」
俯き、手をぎりぎりと握り、奥歯をきつく噛み締める。
幾つもの分岐点があった訳じゃない。
出来ることなんか限られてて。
私達三人だけじゃ限界があった。
悔しい。
悲しい。
恨めしい。