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もう一度、を叶えるために。first

第18章 記憶喪失に…なりました?





………。


ここは…?


「おはようございます、気がつきました?」

目に映る全てが真っ白の中、カーテンの隙間から知らない女の人が顔を覗かせた。

「昨日、病院の前で倒れていたんですよ。覚えていませんか?」

言いながら、カーテンを開けていく。

大きな窓から映り込んできたのは、真っ青な青空と白い雲。
カラカラカラ…と窓を開けると、気持ちいい風と共にうるさいくらいの蝉の鳴き声が入り込んできた。

「あの、エニシさん、ですよね?うちはエニシさん。」

窓の外を眺めていたら不意に声をかけられた。

はて?

エニシ?

私の名前は…。

「…覚えてない…。」

え、自分の名前が思い出せない。

あれ、普通こんなことあるのかしら…?

「昨日の事は?覚えていませんか?」

昨日…?

…何でだろ。
思い出そうとしても、何も出てこない。

困り果てて、私はその人を見上げた。

「…あ、…。」

その人も困り果ててしまった。

「えーっと…。取り敢えず、確認してきますね。」

その人はそう言って立ち去ってしまった。


あれ〜…?
これは、結構大事なんじゃ…?

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