第17章 うちはの里を作っちゃおう2
南賀ノ神社を出る辺りで、イタチが駆けてくるのが見えてシスイは止まる。
「…っ。これは、どうしたんだ?」
シスイの腕の中にいるのがエニシであると気づいたイタチは、彼らを見比べる。
「会合で、エニシは粛清を受けた。」
イタチはそれを聞いて、息を呑み顔を強張らせる。
そして、後悔した。
会合に遅れて来てしまった事を。
この日に限って暗部での仕事が長引いてしまった。
「記憶を消し、一族から追い出す。」
どうやって…という言葉をイタチは呑み込む。
「…俺が案を出し、そうした。」
「そう、か…。」
虚ろな様子でエニシを見つめるシスイの瞳には未だ万華鏡が浮かんだままだった。
イタチはそれで大体を把握する。
これでエニシは写輪眼を封じられたも同然だ。一族にはさぞかし屈辱的な手法に映るだろう。
だがエニシの性分から言えば、一族の証しを封じられる事には重きを置かないだろう。彼女にとって写輪眼は手段の一つに過ぎないだろうから。
それでも、過酷な粛清には変わりないが…。
「これから、どうするんだ?」
イタチの問いかけに、シスイの手に力が入り、益々エニシが抱き込まれた。
「木の葉病院の前に…置いてくる。」
シスイの痛い程の葛藤がイタチにも伝わり、彼は目を伏せた。
「…俺も行こう。」
二人は闇夜に紛れるように歩き出した。