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もう一度、を叶えるために。first

第17章 うちはの里を作っちゃおう2




と、いうことで。
次なる対戦は兄ちゃんvsイタチとなりました。

「こっちの方が見応えあるな。」

「…悪かったですね、レベルが低くて。」

兄ちゃんと比べないでよね。ふんっ。

「まぁまぁ、拗ねるな拗ねるな。」

先生にぐりぐりと頭を撫でられながら仏頂面で頬杖をつく私。
テーブルを挟んだ正面ではテンゾウさんがしげしげと対極を見ていた。

「意外と勉強になるなぁ。」

「陣地取りとしては将棋よりも分かりやすいからね。」

先生は対局を見ながら薄く笑う。


「…これは…、手詰まりかも…。」

ぼそっと呟いた兄ちゃんの声にどれどれと私は盤上を見る。

「あー…これはシスイが不利か。手がなくはないけど…。」

先生は目を動かしてまだ見ぬ駒を追ってる感じ。…何手先まで読んでるんだろ。

「ってことは、まだひっくり返せるってこと?」

私にはまだ勝敗の行方がさっぱり分からない。

「イタチがそこに気づいているか否かで決まるね。」

何処だろ…。テンゾウさんは気づいてるのかな?
そう思ってるちらっと見てみると、どうやら彼も探してるらしい。

「まだ決定打が出るまでやってみたら?」

先生が言うと、兄ちゃんは素直に頷いてまた盤上に視線を戻す。


暫く応酬が続いてイタチの番になった時、少し考え込んだ。
だけどその顔が、はっと何かに気づいてそこに駒が置かれた。

「あ〜気づかれちゃったか〜。」

どうやらさっきの所が問題の箇所だったらしい。

「他に誘導したつもりだったんだけど、やっぱりイタチの目は誤魔化せないな。」

兄ちゃんが少し悔しそうに言った。

「ニ手前が少しあからさまだったのが引っかかってな。」

イタチが少し笑う。

「先にこっちの手を出せば良かったかな。」

先生はもう一度、局を巻き戻すように直してからやり直して見せると、兄ちゃんは納得した顔をした。

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