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もう一度、を叶えるために。first

第17章 うちはの里を作っちゃおう2





「では、これで。書類は全て揃いましたので、権利書を譲渡いたします。」

お高そうな重厚感たっぷりの木のテーブルに書類を置いて、すっと差し出される。

「こちら、ご確認をお願いします。」

私はそれを受け取り、土地代金の入った風呂敷を差し出した。
私は兄ちゃんに書類を幾つか渡して目を通してもらう。確認を手伝ってもらう為に。
二人で目を通し終わって、にいちゃんと見合って頷き合った。
私達以外に客の人影はない。

差し出された手形の境目に双方の母音を押して契約証書の出来上がりだ。

「では、これで成立という事で。ありがとうございました。」

「ありがとうございました。」

土地を売ってくれたおじさんとお辞儀を交わして店舗を出た。


遂に。


遂に!!


「とったぞ〜!!」
「静かにしろ!!」

怒られた…。

「…だって嬉しいじゃん。叫びたいじゃん。」

「嬉しくても叫ぶな。奇人を見る目を向けられたくないだろ?まだ店の前だぞ。」

どうせ変な子って思われる事多いから今更な感じがするんだけどなぁ。

「俺は巻き込まれたくはないからな。」

「つめたいの〜。」

「人として当たり前の感情だ。」

ちぇっ。

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