第13章 変わりゆく日常と濃くなる影
「ふあぁ〜…。」
眠いなぁ…。
昨日はお風呂入って即行でばたんきゅ〜だったのに。
まるで夜更かししたみたいに体が重い。
…あれかな?
疲れすぎてて体の回復が追いつかないのかな。
私まだ若いのに…とほほ…。
「エニシ…?」
兄ちゃんの声がしてそっちを見ると、何故か襖をちょっと開けた状態で、おそるおそるといった感じに私を窺っている。
「…おはよ。どしたの?」
普通に声をかけたつもりだったのに、何でか少しほっとした様な感じだった。
「いや…、何でもない。それより、体は何ともないのか?」
「疲れすぎてるみたいで、寝ても眠い。」
正直に答えたら、すごく奇妙な顔をされた。
「…そうか、頑張れ。」
「そこは修行のメニューを考え直す場面じゃなくて?」
ツッコミ入れたら素知らぬ顔をされる。
「変える気はないぞ。続行だ。」
「ちぇっ。」
チャンスだと思ったのに。
まぁ、そのおかげで異例の大出世が実現したんだけどさ。
「そんなくだらない事言ってないで支度しろよ。置いてくぞ。」
「え!ちょっと待って!すぐするから!」
そうだった、今は兄ちゃんが上司だ。
置いてかれたら洒落にならん!
私は大急ぎで支度しだした。