• テキストサイズ

もう一度、を叶えるために。first

第1章 花の寿命は短いもの





「……。〜…!エニシ…!しっかりしろ!エニシ!」

呼びかけられて、はっと目を開ける。
そこには二対の心配そうな目が覗き込んでいた。
知らない少年が二人。

「エニシ!大丈夫か!?」

「…だれ?」

いや、ほんとに誰?
それにエニシって私?

「…打ち所が悪かったのか?」

一方の少年が顔を顰めた。

「…大人に見せた方がいいんじゃないか?頭を打っているのならば応急処置では意味をなさない。医療忍術が必要だ。」

もう一方の少年は冷静に判断すると、立ち上がって後ろを眺める。

「イタチ…。お前はどんな時でも冷静だな…。」

顔を顰めた少年が呟いた。

イタチ?変わった名前…。
イタチって言ったら、あの小動物だよね。あとは、小さい頃読んだ漫画に出てきた。

NARUTO。当時はすっごいドハマりした。
漫画よりアニメの方が迫力あったな。
魔法みたいな技や武器の応戦、何より楽しかったのは敵との知恵比べ。手に汗握って真剣に見入ってた。

私の好きなキャラは、カカシ先生だった。
その次に好きだったのがうずまきナルト。やっぱ王道の主人公でしょ。
けど、その漫画の中で凄く印象に残っている話があった。
サスケとサスケの兄弟の殺し合い。
何で殺し合わなければならないの?そこまでする必要ある?と幼心に悲しかった。
その、サスケの兄弟の名前が、確かイタチだった。


ん?待てよ?
イタチの顔には、目頭から下に伸びる特徴的なほうれい線のようなものがあった。
で、この少年の顔にもそれがある。
それはもう、濃くはっきりと。

私の全身に冷や汗が吹き出した。

ど う い う こ と !?

なんで漫画に出てくる人が目の前にいるの!?

私はがばりと跳ねる様に起き上がった。
すると、イタチじゃない方の少年が驚いた様に尻餅をついた。

「うわ!…何だ、元気じゃないか。」

そう呟いた少年を、私は思わずまじまじと見る。
見覚えがないと思っていた少年は、よくよく見るとうちのお兄ちゃんだった。
/ 478ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp