第13章 変わりゆく日常と濃くなる影
さすがに…眠いわ…。
「おい、エニシ。シャッキっとしろよ、任務中だぞ。」
「お前昨日何してたんだ?」
寝ていいかな…。
ぐー…。
「「寝るな!!」」
「はっ…!」
まずいまずい。
任務中任務中。
「おい、本当に何やってんだよ?」
「また医学書で徹夜とかしてないよな?」
してないしてない。
寧ろ疲れたてたから、家帰ってバタンきゅーだった。
ここ連日は、兄ちゃんにみっちり修行をつけてもらってるし、マヤちゃんの治療にも出てる。
本当に医学書のいの字もみていない。
私が首を振ると、トウキとユウは益々怪訝そうな顔をする。
「んじゃ、その盛大な隈は何なんだ?」
そんなに凄いかな…。
結構頑張ってマッサージとかしたんだけどな。
私は目をこしこしと擦る。
「止めとけ。余計に腫れるぞ。」
「結構酷い?」
「かなり腫れぼったいぞ。」
はあぁ〜…。
「…実はさ、ここ最近夢見が悪くてさ…。」
っていうかここまでくると悪夢って言っても過言じゃない気がするんだよね。
「どんな夢だよ。」
「燃えた家の前で一人でポツンと立ってる夢とか。」
たぶん、あれは家族か大事な人が中にいた感じなんだよね。
失って呆然としてる感じだったし。
「恋人に裏切られて四面楚歌的なのとか。」
何で裏切られたとかは分からないんだけど、よってたかって”どうしてだ”とか”酷い”とか責め立てられてた感じ。
でも、自分は何もやってないのにって思いはあって、でも誰にも声が届かない…みたいな。
「自分のせいで大事な人が目の前で死んじゃったっていうのとか。あとは…。」
なんだっけっか…。
印象的なのしか思い出せない。
「いやいや、もういいよ。こっちがお腹いっぱいだよ。胃もたれするよ。」
ユウは嫌そうに顔を顰める。