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もう一度、を叶えるために。first

第12章 ここが人生の分岐点だったのかも…



首を傾げると、イタチが微笑む。

「つまりは事を見極めて慎重に動け、という事じゃないか?」

はあぁ?
そうなの?と目で兄ちゃんを問いかけると、

「さすがだな。よく分かってる。」

と、イタチを褒め出した。
私はギリギリと歯を鳴らす勢いで、無言で怒りをあらわにする。

「悔しかったら思いつきのまま行動を起こさない事だな。」

「勢いだって大切でしょ!?」

「お前の場合勢いだけだろ?」

「そんな事ないもん!」

「「あるな。」」

「なっ…!イタチまで〜!」

もー!二人して!

「まあ、そう怒るな。」

そう言いながら、兄ちゃんに頭をぐりぐり撫でられる。
かー!ぺっぺっ!
誰が騙されてやるもんですか!

「怒ってるのに嬉しそうだな。」

「なっ…、なっ…!」

器用だな、とイタチに笑われて、思わず絶句する。

「顔赤いぞ。」

「うそ!?」

兄ちゃんの指摘に、反射的に両手で頬を抑えてしまった。
が、

「嘘だ。夜だから見えない。」

イタチに言われて、ぎっと兄ちゃんを睨んでやった。

「何でそんなに騙されやすいのか。」

兄ちゃんは心配だ、とさもありなんと言う様に肩を落とす。

「だ、騙されて、なんて…!」

「エニシは揶揄い甲斐があるだろ?」

兄ちゃんはそう言ってイタチを見ると、彼は彼でくつくつと笑う。
それを見ちゃうと、喉元まで出かかった罵詈雑言なんて飲み込んじゃうわけで…。

私って、恋心こそ無くしたけどどこまでもイタチに弱い気がする…。

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