第9章 まだ学生でいたいんですが。
それから一年くらいは目が回るくらい忙しかった。
独学での医学の勉強に、呼びかけに、写輪眼の修行に、空いている時間はチャクラコントロールの練習。
いや〜、私よくやった。
人生で初めてこんなに頑張ったかも。
受験の比じゃないくらい血反吐もんだった。
影分身もフル活用で必死でやったよ。
で、その結果…。
「うぅ…。気持ち悪い…。」
疲労が祟って風邪を引きましたとさ。
しかも、結構な高熱。
頭がんがんする…。
「…1年間もよく持ったよな。」
事情を知っているトウキが見舞いに来てくれました。
すんません。
「そんなに凄い生活だったのか?」
兄ちゃんから聞いたらしいイタチも見舞いに来てくれました。
ミコトさんからの後押しもあったらしい。
あの日から、チャクラコントロールが行き詰まるとミコトさんを訪ねてレッスンしてもらってたから、すっごく仲良くなったの。
サスケの子守りも好評でよくベビーシッターもしてたんだよね。
「そりゃ、こうなるよなっていうハードスケジュールだったな。」
トウキの呆れた声を聞き、私はうっすら目を開けた。
「どんなだったんだ?」
「昼はアカデミーで授業受けつつ影分身出してこっそり図書館で医学書読み漁ってるだろ。帰りには週三回校門演説で、週二回は街頭演説。アカデミーが休みの日は医学書かチャクラコントロールか写輪眼の修行だろ。いつ休んでるんだよってくらい詰め込んでたよな。お前。」
イタチの問いに、トウキは指折り数えながら私の行動を羅列していき、最後に呆れ顔で私を見下ろした。
だって全部やりたい事なんだもん。
街頭演説だって少しずつ効果出てるんだから。
がんばれ、って応援してくれる人だってちらほらいるんだよ。
それに、医療も今しかできないじゃん。
下忍やりながら勉強なんて無理でしょ?
写輪眼だって今の内に知れるだけ知っときたいし。正確に教えてもらえるのって今だけかもしれないし。
いつやるの?今でしょ。
でしょう?
けど、言い返す気力がない。
口開いたら、胃からリバースしそう…。
「うぅ…。ちくしょ〜…。」