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もう一度、を叶えるために。first

第8章 宝の持ち腐れ…は、まずいよね





とある日。

「なぁなぁ、お前さ、写輪眼開眼したんだよな?」

何気ないトウキの問いから始まった。

「したよ。何で?」

「じゃさ、もう色々出来るのか?動体視力アップとか幻術とか。」

私はトウキからすっと視線を逸らして窓を見る。

「今日いい天気だよねぇ。絶好のお花見日和。」

「曇りだけどな。秋だし。」

「じゃあ明日は晴れるかな。」

「どうでもいいよ。てかお前まさか訓練サボってるのか?」

思わず、うっと言葉に詰まった。
…そう。あれから私は写輪眼を出すのがやっとの始末で、使い熟すなど夢のまた夢な状態なのだ。

トウキは私の顔を見て、呆れ顔になった。

「何、宝を腐らせてんだよ。そっちをまずやれよ。呼びかけなんかしてる場合じゃないだろ。」

「なんかって言わないでよ。」

呼びかけだって大事だもん。
私がジト目で見ると、トウキは半眼で返してきた。

「お前な、このままじゃ名実共にうちはの落ちこぼれになるぞ。」

え?何それ。どういうこと?

「開眼したのにそれを使えないまま卒業にでもなったら、お前、うちはの中じゃ最弱じゃないか?」

「卒業ったって何年後?ってかんじじゃない?」

あと三年は悠にある。
下忍なんて今は想像出来ないし。

「馬鹿だな、飛び級があるだろ。実技学年一のお前がそろそろ卒業だって噂もあるんだぜ?」

「はあ?」

どういうこと!?
私は思わず席を立つ。

「ムリムリ!下忍なんて出来ないって!」

「やっと自覚出来たか。」

トウキはにやりと笑う。
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