第7章 あっという間に卒業です
時は早いものであっという間に半年が過ぎていった。
呼びかけをし始めてから、イタチとの時間があまり合わなくなり、会う日が殆どなかった。
そしてないまま、今日彼は卒業する。
「もう下忍、なんだなぁ。」
何となく、イタチが遠く感じた。
本当に一年で卒業してしまったのだ。
「イタチか?」
私の呟きを聞いていたらしいトウキが私の隣に並ぶ。
「…うん。出来が違うなぁって思ってさ。」
「お前はうちはの落ちこぼれだもんな。」
にっと笑うトウキに思わずムッとする。
「今はそこそこいい成績取ってるでしょ。」
そう。私は頑張った。
座学はトウキに及ばずとも遠からず。
実技はトウキを越した。
私がトウキを睨め付けると、彼は少し笑って肩を竦める。
「ま、そう怒るなって。俺と比べても仕方ないだろ。
それに天才は凡才とは違うんだから比べるだけ損だぜ。」
ほら、やるぞ、と言ってトウキは私の肩を叩く。
私は頷くと、再び演説を再開する。