第2章 episode1
ある日の放課後、私とサキと場地は3人で下校していた。
「ドカッ、バキッ」
「てめー、舐めてんじゃねぇぞゴラァ!!!」
と喧嘩らしき物騒な声と音が聞こえてきた。
サキ「えー、なんか怖いんだけど。」
とサキが呟くと場地がビビっているサキに
場地「気にすんな。どうせその辺の不良だろ。サキ、あっちの道から帰っとけ。」
と。サキは昔から喧嘩が苦手だ。圭介もそれを知っている。
(待って私にはその一言ないの?別にいいけど、いいんだけど。)
よく見ると1人相手に複数人で袋叩き。
(あーーちゃー。こりゃ圭介…)
と思った時にはメガネが足元に転がっていた。
場地「1人相手に大人数かァ」
「テメェ誰だァ??」
「中坊が出しゃばってんじゃねえぞ、テメェもボコられてぇんか?」
千冬「待て!ガリ勉!お前が出る幕じゃねえ!」
そんな千冬を他所に場地の拳が1人の顔面を捉える。
場地は強い。すごく。
リナ「半分分けろよ、圭介。」
私達は喧嘩をしている姿が瓜二つだとよく言われる。
場地「仕方ねえなァ。背中、リナにやるわ。」
リナ「、、さんきゅ。」
「だからテメェら誰だつってんだよオオオオ」
場地「東京卍會、一番隊隊長 場地圭介だ!!!!!」
「、、、、、?!?!東京卍會!?くそっよりによって幹部かよっ。関係ねぇ!殺っちまえ!!!女もだァ!!」
千冬「、、、、東卍?」
唖然としている千冬を横に、私と場地2人で10分もかからず立ち上がる者はいなくなった。
千冬「、、、、強い。。」
場地「千冬ゥ、、、、、ペヤング、好き?」
千冬「、は、はいっ!!」
リナ「圭介、またペヤング?」
私がフッと笑うと、いつものように「うっせーよ。あれが一番うめえんだよ。」とムスッとした顔で圭介が言う。
千冬と場地は同じ団地らしく、2人は団地の方へ、私は少し離れた自宅へ足を向けた。
「「じゃーな!」」
2人の声が重なる。
千冬はクソでかい声で
「ありがとうございましたっっっ!!!!!」
と、叫んでいた。
(可愛いやつ。)
ニヤける顔を見せまいと、後ろを向いたまま右手だけ挙げた。