第4章 episode3
圭介はその一言だけ発し、何も言わずに私が落ち着くまで、布団越しに手を重ねてくれていた。
その優しさがとても痛かった。
リナ「、、、、、圭介。私ね、、、」
暫くの沈黙を破ったのは私だった。
場地「、、、、、黙ってろ。」
口の悪い圭介だが、その一言はなんとも言えない辛そうな、苦しそうな言葉だった。
場地「、、なぁリナ。お前、俺の女になれよ。」
突拍子も無い圭介が言ったことに言葉が出なかった。
場地「、、別にお前が嫌ならいいんだ。無理にとは言わねえ。でも、もうあんな思いさせたくねえんだ。ずっとリナが好きだった。あの時無理にでも俺ん家に来させとけばこんなことにはならなかった、、、、、。」
リナ「、、、、、、それは、、、、違うよ。」
場地「違わねえ、、、、。違わねえんだよ。」
リナ「、、、、圭介、、。、、ありがとう。でも、、、」
ガラガラガラっ
千冬「リナさん!!!!!」
息を切らした千冬が入ってきた。
千冬「リナさんが、、、、運ばれたって聞いて、、、。ハァハァ。大怪我じゃないっすか!!!」
場地「、、お前、ちょっと、、、」
圭介の言葉を遮るように
リナ「大丈夫大丈夫!大したことないから!ホラ、元気元気!」
千冬「いや、だって、、、、、。」
場地「この様子じゃ大丈夫そうだな。、、、千冬ゥ、帰ろうぜ。」
千冬「いいんスか?」
場地「こいつが大丈夫つってんだ。リナ、黙って寝てろよ。」
リナ「分かってるって〜。ありがとね、圭介。千冬も。」
圭介は私を気遣ってくれたんだ。
今の私は
目も当てられないほど
弱りきっていたから。