第3章 第一話 11年前の出来事
レノside
それはたった一瞬だった。
たった刹那の時間で、お嬢様は私の目の前から姿を消した。
いつものお嬢様なら遊び疲れて木の上で寝ている
はずだった
私希望は一気に崩れていった。いつもはいるはずのお嬢様がそこにはいなかったからだ。
それからというもの、大声を出して城内をお嬢様のように走りまわった。
いつもはお嬢様を怒る側の私が、国王様に怒られ、お妃様の身までも走らせてしまった。
こんなことは、アルバフォレンス王国で初めての自体
グレイ様も大人しい方であるから、こんなことは起こり得なかった。
あぁ私はなんという失態をおかしたのだろう。
お嬢様はもう城内にはいない。