第3章 第一話 11年前の出来事
第一話 11年前
アルバフォレンス王国・11年前
レ「お嬢様、お待ちください!」
ア「レノ~おそいよ~はやくー」
レ「城内を走りまわってはいけません!!」
ア「(^^)やだー、こっちだよー」
いつもと変わらない光景
アンナが誕生したときからの光景
アンナが走っても怒るのは、従者のレノだけ。
アンナの父と母はその光景をいつも窓越しに眺めていた。
妃「もう、あの子も四才になりますね。王様。」
王「そうだな。この国を継ぐ者となるのは、グレイかアンナか決めないといけないな」
二人の話は、今のアンナには分かり得ない話
どの国でも、問題に取り上げられる、「後継者選択」。そんな重荷を今のアンナが背負えるはずもなかった。
しばらくすると、アンナの声が聞こえなくなった。
城内が広いためそんなことは普通に起こり得たが、今日はレノの声だけが聞こえた。
レ「お嬢様ー!アンナお嬢様!どこにおられるのですか?」
レノの声だけしかしなくなって随分たった。
さすがにこれは、ロバートもアレンも不安かられた
ロ「レノ!アンナはまだ見つからないのか!この城内を出るのは不可能に近い。夕方の晩酌にまでは、探し出して晩酌の間に連れてくるのだ!!」
いつも、温厚な国王も今回ばかりは血気立ち一緒に探した。それは、お妃も同じであった。上品さを捨て、城内を走っては「アンナーアンナー」と叫んでいた。
やがて、城内全ての者が、不安になり、アンナを探していた。