• テキストサイズ

あなたに捧げる【鬼滅の刃/短編集】

第1章 無口な彼の言葉責めー水柱・冨岡義勇


それからも任務が一緒になることが数回あった。
私は気を緩めないように任務に当たった。





「…その…飯…行かないか?」

任務のない日に、私の元を訪ねてきた。
彼からは信じられない言葉が告げられた。
飯…?ご飯…?食べる…?一緒に…?

「えええええっ?!?!」
「嫌だったらいい。」
「い、嫌じゃないです!!全然!!是非!!」
「そうか。」

私はせっかく彼とご飯を食べに行くなら、綺麗な着物に着替えようと思った。

「あの…着替えてもいいですか??」
「あぁ。」
「あ、玄関で待っててくださいね!すぐ!来ますからーっ!!」

私は信じられない出来事に頭がついていかなかった。
だけど、彼が待っている。
早く着替えて…少しだけ…お化粧をして…彼の待つ玄関へと向かった。

「とみ…義勇さん!お待たせしました!」
「…っ!!」
「どうしました…?変ですか…?」
「いや…なんでもない。似合っている。」
「ふふっ、ありがとうございます。」
「行くぞ。」

彼は歩きだした。
大きな背中だなぁ…。
隊服じゃないのも新鮮で…かっこいい…。

彼の歩くスピードは異常に早く、少しだけ距離ができてしまった。

「待ってください、冨岡さん…!あ、義勇さん!」
「すまない。ゆっくり歩く。」
「ありがとうございます。」

私は少し微笑んだ。
彼にエスコートされて着いたのは、巷で有名な和食屋さんだった。
それなりのお値段もする。

「わっ、私こんな良い所に連れて行ってくれると思ってなくて…その…お金あんまり持ってないんです…。だから…別のお店…」
「構わない。俺が払う。」
「ええっ?!いや、悪いです…高いし…。」
「俺が誘ったんだ。払わせろ。」
「すみません…じゃあお言葉に甘えさせて頂きます。」

そこで私は彼の知らない表情を知った。
鮭大根を頼んだ彼は、目を輝かせて微笑んで食べた。
私はじっと見つめてしまった。
すると視線に気づいた彼は、

「あまり…見るな…。」

恥ずかしそうに言った。

「す、すみません…鮭大根お好きなんですね!」
「あぁ。」
「お前も早く食べろ。」
「ですって…。」
「よく間違えるのはどっちだ?」
「私です…。い、頂きます!」

私も鮭大根を食べた。
すごく美味しくてほっぺたが落ちそうだった。





「ご馳走さまでした。」
/ 41ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp