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あなたに捧げる【鬼滅の刃/短編集】

第2章 優しいその手ー風柱・不死川実弥


不死川さんがお風呂に入っている間、勝手ながら、不死川さんの羽織と自分の羽織を洗った。

洗い終えて居間で不死川さんを待っていた。

しばらくして居間の戸が開いた。

「あっ、お帰りなさい!」
「…っ!おぅ。」
「あの、勝手ながら羽織を洗わせてもらいました。」
「ありがとなァ。」

怒られるかと思ったけど、優しい声でお礼をしてくれた。

…って髪の毛がビショビショ!!

「あっ、不死川さん!髪の毛ビショビショですよ!ちゃんと拭かないと!!」
「くっ、来んなァ!!」
「だめです!風邪引いちゃう…!」

私は不死川さんをガバっと、取り押さえた。
そして座らせると、さっきやられたみたいにワシャワシャと髪の毛を拭いた。

髪の毛を拭き終わると、私は不死川さんからいい香りがすることに気づいた。
無意識に目を閉じてその香りを嗅いでしまった。

「おい…なにしてんだァ?」

私がハッとして目を開けると不死川さんの顔が目の前にあった。

「うわぁっ!!!!あっ、あの!違うんです!いい香りがしたものでっ!」
「お前なァ…もっと警戒心ってもんを持った方がいいと思うぜェ…?」
「…へ?」

私は気づかないうちに不死川さんに横抱きにされていた。

「きゃっ!!…なにしてるんですかっ!!」
「…」

不死川さんは何も言わずに、とある部屋の戸を開けた。
そこには、布団が1枚敷いてあった。
不死川さんは布団に私のことを下ろすと、こう言った。

「今から何するか分かるかァ…?」
「えっ、えっ、えっ?!」
「ただでさえ男の家だァ。もっと警戒心を持った方がいいだろーがァ。」
「なっ、なんの話ですか??」

ートサッ

不死川さんに押し倒されている…?

「煽りやがってェ…」
「まっ、待ってください!どうしたんですかっ!」

私は不安そうな顔で不死川さんに言った。

「そんなに不安そうな顔すんなら最初から警戒心を持ってろォ。他の奴だったら、お前がどんだけ泣いても最後までヤるぞ?」

そう言って不死川さんは私から離れようとした。

だけど、私の手が勝手に不死川さんの袖をつかんだ。
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