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あなたに捧げる【鬼滅の刃/短編集】

第2章 優しいその手ー風柱・不死川実弥


甘味処を出た私と不死川さんがそれぞれの屋敷に帰ろうとしたときだった。

「不死川とじゃねぇか!!2人で派手にデートか?」
「あっ、宇髄さん!!違いますよ〜!」
「宇髄ィ…」
「珍しいな不死川が女と仲良くするなんて。もしかしてお前…」
「うるせェ!!」
「もお〜…喧嘩はやめてください!」

そこから10分ほど宇随さんと不死川さんの会話に付き合わされた。
宇随さんが冗談で嫁に来いとか言ってくるし…不死川さんはずっと吠えてるし…。

「じゃあな!派手に熱い夜を過ごせよ!」
「アイツ…ぶん殴ってやる…」
「何か勘違いしてらっしゃるみたいですね…。帰りましょうか。」
「おう。」

それじゃあまた…と言おうとしたときだった。

ーザァァァァァァ

急に豪雨が襲ってきた。

「ひぇ?!雨っ?!最悪!まだ屋敷までは距離あるのに…」
「俺の屋敷の方が近い!びしょ濡れになる前に行くぞォ!」

私の腕をぐっと引っ張って大雨の中走り出す不死川さん。
私より全然足が速い…。
なんとか転ばないように必死に足を動かした。

屋敷に着いたときは、びしょ濡れだった。
これは私の屋敷に帰ってたらもっと酷かったなぁ…。

「不死川さん…ありがとうございます…くしゅんっ!」
「風邪引く前に風呂入ってこい。」

そう言って不死川さんは、玄関に常備してあるであろうタオルを私の頭に被せてワシャワシャと拭き始めた。

「わぁっ!!不死川さんが先に入ってくださいっっ!」
「俺はへーきだ。入ってこい。」
「でも…っ」
「風邪引くだろーがァ!」
「わっ、わかりましたっ!」

私は不死川さんに言われるがままにお風呂を借りた。
お風呂から出た私は服が用意してあることに気づいた。
これ…不死川さんの?
ビショビショの隊服を着るわけにもいかないので、私は不死川さんの服を着て、急いで不死川さんのところへ行った。

「お風呂と服、ありがとうございますっ!あの、不死川さんも早くお風呂入ってください!!」
「ちゃんと温まったかァ?」
「はっ、はい!!」
「今日はもう雨が止みそうにねェ。嫌かもしれねぇが、泊まっていけ。」

そう言うと彼はお風呂に向かった。

…泊まる?私が?不死川さんの屋敷に?
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