第2章 優しいその手ー風柱・不死川実弥
私は残りのもう1体の首をスパッと落とした。
この山にもう鬼の気配はなかった。
私は不死川さんを探そうとしたが、その前に不死川さんが私を見つけてくれた。
「そっちはどーだァ?」
「2体いました!どっちも大したことない鬼でした。」
「そーかィ。もう気配ねェな。柱が2人呼ばれるから何事かと思ったら大したことなかったなァ。」
「そうですね。不死川さん、任務も終わったことですし、甘味処行きません?」
「いっ、行かねェよ。」
「そうですか、じゃあ私は最近見つけたおはぎの美味しい甘味処に行ってきますね。お疲れ様でした〜」
「おいコラァ、待ちやがれェ…!」
私は走って甘味処の近くまで逃げた。
そして茂みに隠れた。
しばらくすると後を追ってきた不死川さんが私の姿を探している。
「わぁっっっ!!!!!」
「っ?!?!」
「ふふ、びっくりしました?結局付いてきたんですね!」
「お前ェッ!!…ったく…。別におはぎが食べたくて来たわけじゃねェからな!!」
「はいはいそうですか〜じゃあ行きましょうか」
私はスタスタ歩き始めた。
後ろをついてくる不死川さんがとても可愛い…。
「おばちゃーん、おはぎ6つください!」
「はいよ〜って、ちゃんじゃない!あらあら、隣の男の人は誰かしら?」
「あっ、同じお仕事してる人なんです!!」
「そうなの、恋人じゃないのね…残念だわぁ〜!まぁ、座って座って!おはぎ用意してくるわ!」
「ありがとうございますー!!」
不死川さんは、座ろうかどうか迷っていた様子だったので、私は不死川さんの腕を引っ張って無理矢理座らせた。
ただ、引っ張る力が強すぎて、私と不死川さんがぴったりくっつくような座り方になってしまった。
うわ、気まずい。
これは気まずい。
どうしよう。
不死川さんなんか言って〜っ!!
沈黙が続いた。
「はいよーおはぎ6つ!!!ゆっくり食べていってね!」
「あっ!ありがとうございます!!」
おばちゃんの声が聞こえた瞬間跳ね上がった私と不死川さん。
ちょっとおばちゃんに救われた…。
「たっ、食べましょう?」
「そ、そうだなァ。」
そう言っておはぎを手に取ったと不死川さんが、バクバクと食べ始めた。
私も1つ手に取って食べていく。
「おばちゃんご馳走さまでした!また来ます!」
「はいよ〜!またおいで!!」