• テキストサイズ

あなたに捧げる【鬼滅の刃/短編集】

第2章 優しいその手ー風柱・不死川実弥


「あ〜美味しそうっ!やっぱふた口もらっていいですか??」
「はぁ?!ひと口しかやんねェよ!」

とか言われたけど、私はパクっ、パクっとふた口頬張った。

「んふふ、おいひ〜」
「飲み込んでから喋れェ」
「やっぱおはぎ美味しいですね!ご馳走さまです!」
「団子よこせよ」
「あっ、お団子どうぞ!くれたからあげます!」

私がさっきひとつ食べた食べかけの団子を、私の手から奪い取った。
そして残りの2個を美味しそうに頬張った。

「不死川さん、さっきめちゃめちゃ怖かったけど、仲良くなれてよかったです!」
「仲良くなんかなってねェ!お前が強制的に連れてきたんだろーがァ!」
「嫌でしたか…?」

うるっとした目で見つめてみる。

「べっ、別に嫌じゃねェ」

案の定動揺した。
面白い。

「不死川さんって、あざといのに弱いんですか?」
「…んなわけねェ!」
「へぇ〜反応がもう物語ってますから焦らなくていいですよ?」
「お前ェ…」

案外不死川さんは可愛いところがあることが分かった。
最初はあんなに威嚇してたのに…。
狼にも可愛いところがあるみたい…。
これから仲良くやっていけそうでよかった。

でも、初日から柱の皆さんをお騒がせしてしまったことは申し訳ない…。





「不死川さんっ、付き合ってくれてありがとうございました!また行きましょうね〜!」
「いっ、行かねえよっ!!」

私は笑いながら不死川さんに手を振って屋敷に戻る。
楽しかったなぁ…。
また近いうちに会いたいな。

近いうちに、と思っていたがほぼ毎日会った。
合同任務も多かった。




ある日、私と不死川さんは合同任務にあたることになった。
なにやら山に行ったきり、帰ってこないという情報が何件も…。
隊士も4人ほど向かわせたらしいが、1人も帰ってきていないと言う。

「不死川さんっ!」
「おう。」
「私は西側から行きます。」
「俺は東から行くぜェ。…死ぬなよ。」
「もちろんです。不死川さんもくれぐれも気をつけてくださいね!」
「おう。」

短い会話を交わすと私達は西と東に分かれた。

「ん、鬼の気配が近づいてきた…」

私は慎重に気配を探る。
1体じゃない…。2体いる。
でも、それほど人を喰ってない鬼ね。
後ろから近づいてきた気配に気づいて、刀を抜いた。

ースパッ

「ぐぁぁぁぁっ!!!」
「随分と柔らかい首。」
/ 41ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp