第7章 不器用*花京院典明
「この子は一体…承太郎、どういうことだ」
いくら血縁に興味がないとしてもこれは倫理的によろしくはあない。
「答えろよ!承太郎!!!」
僕は承太郎の胸ぐらを掴んだ。承太郎はされるがまま、静かに俯いていた。
すると背後から『承太郎さん…どうしたんですか…?』
そう黒髪の子が眠い目をこすり起き上がりこちらを不思議そうに見つめる。
すると我に返ったのか
「わわわわわわわわわ私…!?!?承太郎さん!?!?!どういうことですか、これ!!」
「どうもこうも、酔っ払って駅前で死んでたお前を運んだだけだ」
「なんで全裸なんですか!!!!」
顔を紅潮させ承太郎に怒鳴り始めた。
「って…お客さん…!?!?なななな、なんで呼んでるんですか!」
「気づかねぇと思った。」
「お客さんにも私の全裸を晒して…もうお嫁に行けない…!!」
「7年前からもらってやるって言ってたじゃあないか」
「13歳が本気にするもんですか!!!!ああああああお客さん本当にすみません…」
そう言って青い瞳の少女は僕たちに背を向け着替え始めた。
数分まつと彼女は全てを整え、僕の目の前に現れ謝罪した。
「えっと…本当申し訳ないです。」
「えー、えっと…」
29歳にでもなって大人気ない。だいぶ年下のこの子にドキドキしている自分がいる。
目などは外国人だろうか。しかし承太郎が好きな日本人の血が強い。
いい感じの塩梅の女の子だった。
「承太郎には家庭があることは知っていたのかい。」
すると彼女はコクんと頷いた。
少し瞳には涙が浮かんでいる様に見えた。
この子はきっと承太郎のことを好きなんだろうとやはり思った。
そして承太郎もこの子をかなり大切に扱っていると感じた。
「花京院」
「何だ。今更言い訳か?僕は呆れているぞ。承太郎」
「…離婚した。」
「「はぁっ!?!?」」
「今日はそれで呼んだ。ただそれだけだ」
「じょ、承太郎さん…私の為じゃあないですよね…?」
「……違う」
「じゃあ何で離婚したんだ」