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銃と薔薇

第7章 不器用*花京院典明


花京院side


僕は友人に呼ばれこの杜王町という街に降り立った。
どうやらこの地ではスタンド使いによる怪異があったらしい。


「そんなこともなく平和に見えるのだが…」


駅の改札を出ると長閑な田舎の街、という様な印象。
噴水、そして商店街…。

すごく雰囲気がいい。そう思った。
承太郎のホテルは『杜王グランドホテル』の324号室らしい。

僕はタクシーを捕まえて杜王グランドホテルへと向かった。
4、5分ほどで目的地にはつき、中は豪華な感じ。
承太郎も大きくなったもんだな。っと心の中で呟いた。

そして324号室の目の前についた。
実に会うのは6年ぶりのあれ以来。

あれって?それは。

「承太郎、来たぞ。」
「開いている」

中に入るとやはり広々とした部屋が広がっていた。
そしていつもはしっかりと服を着る承太郎だがこの時は少し急いで着替えたのか、上着は羽織っていなかった。

「すごいいい部屋だな。ここでずっと生活してるのか?」
「ああ」

と頑なにこちらを振り返らない承太郎。
何かおかしい。と感じ部屋中を見渡しベットに目を移す。
スースーと小さな寝息と呼吸と共に布団が浮き沈みをしていた。
誰かがいる。そうでしかない。いや、しかし承太郎が…?

そうベットに近寄ると掛け布団からはみ出る長くて黒い綺麗な黒髪。


「承太郎、まさかお前。」
「やれやれ…」
「お、お前、奥さんと子供がいるだろ!?何してんだ?!」

そう、6年前というのは承太郎が結婚するという時だった。
相手はアメリカ人。もうすでに相手は命を授かっており、いわゆるデキ婚だった。
承太郎は曰く『強引にされた』と発言していた。
そして娘を授かった。承太郎はあまり向き合わず今に至る。
内心愛してはいるものの、妻への愛はあまり感じられなかった。



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