第6章 歳の差*東方仗助
「あっ…」
ぽたぽたと空から雫が落ちてくる。
これはまさか…
「うわーーーーあめじゃん!!しかも喫茶店まで遠いし!!」
「まじで最悪っす…」
髪は崩れるしまともに良い姿見せれてねぇし…マジでついてない。
「あ、仗助くん、良ければなんだけど…」
「どうかしたっすか?」
「うち、来る?」
「へ?」
『うち、来る?』って… さんの家に行くって事じゃあねえか…?
そこまで俺ら出会って年月経ってないのに…?!
お、落ち着け…
「あ、全然やましい事とかじゃなくて!!!うちの方がもてなせるんだよね!お母さんいるし!
しかも仗助くん17で私21だから弟と同じ年齢の子に手出したりしないから勘違いしないで!!」
かなり狼狽えているのか目を背けてはチラチラとこっちの様子を伺うさん。
いや俺こそきたいしちゃったじゃあないっすか……
「じゃじゃじゃ、行こうか…!!」
さんは俺の手首を持ってくるりと俺に背中を向け急足で自宅の方向へ向かった
その手は雨で冷たいはずがどこか脈打ち、熱く火照っている様子だった。
いや、俺の脈もうるさいくらい刻んでたし、もしかしたらさんに伝わっていたかもしれない。