第1章 銃と薔薇
「おぉ!!女の子。どう言った女の子で?」
そう言えば顔は影になってて見えなかったな、と今更になって思い出す。
神父は手に持っていた万年筆のような金色のペンのキャップをカチカチとひたすらしている。
どこか不気味な雰囲気だった。
「いえ、顔は見えませんでしたけど…背はこれくらいで…」
すると神父は一瞬曇った顔つきを見せたがすっと表情が戻った。
「う〜ん、そんな女の子はいないですねぇ〜。ですがこのような出会いも何かの縁デスね〜!美しき日本人。あなたのその海のようなに人々を虜にしてしまう瞳を気に入ってしまいました〜!ささ、もう今日は遅いデスからお帰りになってください!また明日までにはその『女の子』をこちらで探しておきますから」
「あ、え、本当だ。もうこんな時間だ。突然神父さん失礼しました」
「お構いなく」と彼は門まで私を見送った。
境界の後ろから西日が差す風景は、教会が影になり少し禍々しい雰囲気だった。
私はそそくさと教会を後にしたがどこかあの神父の胡散臭さには怪しさを感じた。