第1章 銃と薔薇
「僕はその傷が自分のせいで付けてしまったということに気づきました。僕を庇うためにその背中を傷つけてしまった。」
「ジョルノ…」
「あの父親から僕を庇うために…僕は貴方を守るためにいるのに…」
そういうと彼は手を離し手で顔を覆った。
今までジョルノを庇って負傷したという事を言ったことはなかった。
ジョルノが変な責任感を持つからだった。
そんなジョルノももう16歳だ。色々理解できる年頃にはなっているだろう。
「ハル」
そう言って私はジョルノを抱きしめた。
彼ははっとあの頃を思い出したかのように小さくなった。
「これは私の勇気の勲章よ。ジョルノがそれを悔いてどうするの?私まで後悔しちゃう。
ジョルノ良い?あなたはパッショーネのボス。こんな傷気にしてちゃあだめよ」
そういうと彼はの手が腰にグイッと周り引き寄せられた。
その手は小さい頃のジョルノの面影はなく、大人びた大きな手だった。
「もう無理はなさらないでください。僕が必ず。
命を賭けてでも一生護ります」
「プロポーズみたいね。」
っと見つめ笑うと、「本気です」っと腰あたりの腕をほどき、両手で手首を掴んだ。
「…?!?!」
グッと引き寄せられた唇に唇が重なる。
何度も何度も深く哀しげなキスをされるがまま受け入れた。
16歳にしては慣れすぎでは…と感じてしまう。
はぁはぁと息する間もなかったので少々怪我人には応えた。
「空条承太郎には絶対取られたくありません。
過去に何があろうと貴方のそばに居るのはこのジョルノ・ジョバーナです」