第1章 銃と薔薇
ふと目覚ますとあたりは真っ暗だった。
あれ、しかもここは私の家の天井。
私の匂い。
私のベット。
あぁこれはもう思い出の中を遡ってるのか。と感じる。
お父さんが買ってくれたクイーンサイズのベット。冗談でジョルノと一緒に寝る用とか言ってたな。馬鹿みたい。
みんな私がいなくなった世界では幸せになってくれてるといいな。
「おい、起きろ意識はあるんだろ。泣きやがって」
するとベット脇に目を移すと見覚えのある巨体が。
「じじじじじじじじじ…承太郎さんっ!!?!????!?」
ベットから勢いよく起き上がってしまった。
なななななななんで承太郎さんが…!
ししししししかも私の部屋?!?!?
「おい、傷に響くぞ。寝てろ。それと…」
目線を辿ると私は下は履いているものの上は着ておらず体には無数の赤い薔薇が咲いていた。
「ああああああああすみません…!」
「一回見てる。」
「そんなこと言わないでください!!!!!恥ずかしいです!!」
「もう一回じっくり見てやろうか?」
「怪我人にそういうの良くないです!!!承太郎さん揶揄わないでください!!」
「冗談?」
そういうも承太郎さんは少し椅子から上体を起こし、私の顔に顔を近づけてきた。
反射的に目を瞑ってしまい、生ぬるい感覚が首筋から鎖骨までそして胸部に痛みを感じた。
「いっ…承太郎さん…だめです…」
「今は俺は独り身だが…怪我人に手を出すまで野暮じゃあない。」
「承太郎さん…」
承太郎さんは自分の大きな胸板に私を包み込むように抱きしめた。
こんなに優しい承太郎さんは初じめてで、承太郎さんの匂いが私を包んだ。
日本で私が困った時はいつもそばにいてくれた。
そしてイタリアでも。
承太郎さんの指が私の顎を持ち上げ、私の視界は承太郎さんでいっぱいになった。