第1章 銃と薔薇
そう言って彼は気絶した。
起きてもめんどくさいから地面と四肢を蔓で固定しておいた。
痛みがいきなり私の体を襲う。
全身見るとタイツは無茶苦茶。ブーツも切り傷だらけ。ワンピースなんかスリットなんかもはや裂けてるレベル。
しかもこの湿気とカビ臭さで尚更意識が遠のく。
「あぁ…私もここでこいつと一緒に…」
バタンと石畳に倒れ込み、視界には石の天井。あー、もう一回日本に帰りたいな。なんて柄にもなく思ってしまう。
『お姉ちゃん…見つけてくれてありがとう…』
あぁもう幻聴まで聴こえてしまっている。私が意識を失えば神父の蔓は解け、またこいつは女の子や女性を殺すかもしれない…
目を覚ませばここに私はいないかもしれない…
『泣かないで…お姉ちゃんは休んでていいよ…』
スッと誰かの冷たい手が私の涙を拭う。
もう召される時がきたのか…と。
そして私は気を失った。