第4章 少女の過去
そこから私はその時の事を話した。
その日は少しイライラしていたこと。
友達とちょっとした言い争いになったこと。
世の中ではよく耳にする「死ね」という言葉を友達に言ってしまったこと。
あとから、謝ろうと思って友達を追いかけたけど、目の前でともだちが屋上から飛び降りてしまったこと。
友達を殺してしまった恐怖心から逃げなくちゃと思ってその場から逃げたこと。
私が殺したことがバレないように皆に今日の事を忘れさせたこと。
勝己は静かに私の話を聞いてくれた。
爆豪「おい、なんでそれでお前が殺したことになんだ。」
哀「冗談のつもりだったとしても、私はその時、ほんとに死ねって思っちゃったからだよ。」
爆豪「そんなんで人は死なねぇだろ」
哀「私の場合は死んじゃうんだよね…これが」
なるべく冷静に…心を動かさず…
私は乾いた笑いをしつつ、勝己と話す
爆豪「それがお前の個性か」
哀「そう。物騒な個性だよね。あはは…」
爆豪「くそざこ個性じゃねぇか!」
哀「な!?話聞いてた!?人を殺せちゃう個性だよ!?」
爆豪「おれに個性破られてんじゃねぇか。俺の方が強ぇ」
哀「あははっ!確かに!」
勝己にとっては自分の方が強いって事を言いたかっただけかもしれない。
だけど…
私にとってはなんだかとても心が救われた。
今まで悩んできたものが少し軽くなった気がした。
哀「勝己君…ありがとう…」
なんだか目頭が熱くなって涙がこぼれる
振り向いた勝己はギョッとして
爆豪「何ないとんだうぜぇ」
といって乱雑に頭を抱きしめてくれた
なんやかんや優しい所があるんだ。
哀「これで口も良かったらなぁ…」
声が震える
爆豪「うるせぇ。うぜぇからはよ泣きやめや。」