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過去⏩️今 ~記憶の物語~[呪術廻戦]

第10章 奇襲


裏梅との生活も何ヵ月かが過ぎ、あすか と裏梅も仲良くなっていた。

「あすか さま、はい」

裏梅の隣に立ち、物干し竿に洗濯物を干す あすか は、気分が良いのか鼻歌を歌いながら裏梅から洗濯物を受けとる。

宿「…お前たち、仲良くなったなぁ」

片肘を付き、裏梅と あすか を見て そう言う宿儺に、あすか は『そうでしょ♪』と喜んだ。

「私としては あすか さまが手伝う事で、若干手間ではありますが」

はぁ、と ため息をつく裏梅に、『ひどーい!』と あすか が裏梅を睨んだ。

「御婆の話では あと1月程度でお子が生まれるのですから、くれぐれも走ったりしてはいけませんよ。
転ぶような事はあってはならないのですからね?」

あすか にそう言い聞かせる裏梅を見て、宿儺はケヒ、と笑った。

宿「あすか 、これでは どちらが年上か分からぬな」

『宿儺さままで…』

少し しゅん、とする あすか に、宿儺は続けた。

宿「まぁ良いではないか。裏梅が これだけ話をするようになるとは最初の頃には思ってもみなかったことだ。
あすか が裏梅を変えたのだ」

宿儺の言葉に、あすか は裏梅を見て『そうなの?』と聞けば、裏梅は あすか から視線を外し、照れたように片手で口元を覆い、「…まぁ、そうですね」と答えた。

宿「そろそろ 御婆が来るぞ」

洗濯物を干し終えた裏梅は、先を歩く あすか を見て独り言のように小さく呟いた。

「あなたの生まれてくる処は暖かい良い人たちだよ」

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