第2章 出逢い
宿⦅ ほぅ…、対象者に触れるまで術式が発動しないのか。それゆえ呪力は感じられず いくら外で見張っていた所で防ぐ事はできない、というわけか⦆
ふむふむ、と相手の術式を考えながら苦しんでいる主の元へ近づくと、主の胸には片手程の式神が心臓の辺りで ペタリ と張り付いていた。
式神から心臓を覆うように呪力の渦が感じられる。
宿⦅…式神に術式を記憶させているのか…。コレ(式神)を祓った所で術者には影響がないな。いたちごっこになるだけか…⦆
とりあえず、主の胸にある式神を ボッ と燃やし、宿儺は式神を操っている術者をどう探すか考えていた。
「終わったか?!」
額に脂汗をかきながら、主は宿儺に聞いた。
宿「まだだ。式神を燃やしただけだから、明日も明後日も じわじわと心臓を潰されるだろうな」
「なんとかならんのか!?」
宿「………今考えている…」
そして、宿儺が出した答えは
宿「明日も来てやろう。ただし、明日は下手をしたら お前は死ぬからな。その覚悟だけしておけ」
「……は??」
そう言って宿儺は屋敷から去ってしまった。