第6章 呪霊憑き
白ヘビの蒼は普段、どこに居るのか分からないくらい気配を消すのが うまい。
その日も宿儺と あすか が体術と呪力の手合わせをしていると、「おい」と声がした。
「宿儺、誰か来るぞ」
あすか は蒼が何処にいるのか探し、周りをキョロキョロしているが、宿儺は「分かった」と言い、玄関へ向かった。
『蒼? 何処に居るの??』
「分からずとも良いのだ、俺に用がある時は喚べ。
印で結ばれているから、すぐ駆け付ける」
蒼は優しく言った。
しばらくすると、宿儺が戻ってきた。
宿「出掛けるぞ。今回のは反転術式の勉強になるぞ」
宿儺はケヒ、と笑い、あすか の支度を待った。
その間に宿儺は蒼に話しかけた。
宿「用件は聞いていたのだろう?
俺たちは少し出掛ける。留守を頼んだぞ」
「誰に言っているんだ。その辺の結界より優秀だぞ」
蒼は含み笑いのような声で答えた。