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過去⏩️今 ~記憶の物語~[呪術廻戦]

第17章 生得領域


「目を開けていいぞ」と蒼の声が聞こえ、ゆっくり目をあける あすか 。
そこには山積みの動物の頭蓋骨の頂点で脚を組み、頬杖をついる宿儺の姿があった。

『…宿儺さま……』

器(虎杖)ではない、愛おしい人の姿に あすか は胸が高鳴った。

宿「?! … あすか ……」

器(虎杖)ではない気配に、視線を向けた宿儺は一瞬驚いたように息を飲み、あすか の名を呼んだ。

宿「蒼、呼んだ覚えが無いのに何故此処(生得領域)に来られる?」

宿儺は頬杖をついたまま蒼に聞いた。

「詳しい理由は俺にも分からん。だが、俺が道となる事で あすか を此処(生得領域)に連れてきてやる事ができるのではないかと思ったら、案の定だ」

『…宿儺さま、私が来るのは迷惑だった?』

蒼と宿儺のやり取りを聞きながら、あすか は不安そうに聞いた。

宿「そんな事は無い。不安にさせたなら悪かった」

宿儺は山の頂きから ふわり と降り、あすか の頭を優しく撫でた。

宿「こうして直接 あすか に触れられるとは思っていなかった」

互いが封印される前。
大好きだった温もりがそこにある。
あすか は子どものように宿儺に ぎゅっと抱き付き、宿儺も また千年の月日を埋めるように あすか を抱き締めた。

蒼は そんな2人の姿を静かに見守った。

宿儺の体温、鼓動、吐息。全てを感じ、あすか は満足したよう体を離し、核心に触れた。

『宿儺さま、どうして悠仁の心臓を取ったの?』
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