第14章 はじまり
天井から降ってきた呪いは伏黒を廊下の壁に投げつけた。
伏黒は頭部を打ったようで流血しながら、両手で何かを作ろうとするが「頭 回らねぇ」と言い、脱力した。
それとともに虎杖の隣で男子生徒を引っ張った玉犬も ドロッ と解けた。
「?! 伏黒!」
伏黒は膝を付き呪いの攻撃に備える事が出来なかった。
⦅ ヤバい…ッ! ⦆
そう思った伏黒の目の前に虎杖が呪いを殴り付け、校舎の壁を破壊した。
⦅ 虎杖?!なんつー馬鹿力… ⦆
呪いを追い、外に出た虎杖は尚も素手で呪いを殴り付けていた。
伏黒は「逃げろ」と伝えるが虎杖は攻撃の手を緩めず言った。
「言ってる場合か!
今 帰ったら夢見が悪ィだろ!
それに、こっちはこっちで面倒くせぇ呪いがかかってんだわ!」
と告げ、祖父の【人を助けろ】と言った遺言に従った。
「ダメだ!
呪いは呪いでしか祓えない!
あの2人抱えて逃げれんのは お前だけだ!
さっさとしろ! このままだと全員死ぬぞ!
呪力のねぇ お前が居ても意味ねぇんだよ」
自分が殴った場所は あっという間に再生し、元の姿に戻っている呪いを見て虎杖は言った。
「どっち道 お前は死ぬ気じゃねぇか!」
呪いに攻撃を続けていた虎杖だが、呪いの両手に捕まってしまった。
とっさに指を歯でキャッチした虎杖は、指を空高く舞い上げて言った。
「!
あるじゃねぇか、全員助かる方法!
俺にジュリョクがあれば良いんだろ?!」