第13章 宣戦布告
反転術式をしようとした あすか に気づいた五条は「止めろ!」と大きな声を出した。
「止めてくれ、あすか …。
反転術式で回復したとして、傑は呪詛師として処刑が決まってる。他の人に殺されるなら、このまま…」
五条の言葉を聞き、あすか は夏油を見た。
『でも…』
助けられるかもしれない、あすか は感じていた。
「…頼む、あすか ……」
五条はか細い声でそう言った。
あすか は『わかった』と下を向いた。
『…弔(とむら)ってあげよう』
あすか は膝をつき、血だらけの夏油の顔を優しく撫でた。
「…悔やむな あすか 。
五条の手で最期を迎えられたんだ。夏油は満足だったと思うぞ」
蒼は あすか にそう言った。
☆ ☆ ☆
夏油の亡骸を弔い、五条、あすか、蒼は静かに手を合わせた。
『また来るよ傑』
そう言って 3人はその場を後にした。
その様子を見られていたとも気づかずに…。