第12章 歯車たち
「やっほー♪ 取りに来たよ♪」
いつも通り地下室にやって来た五条は あすか に声をかけた。
『出来てるよ、これで良い?』
あすか から鉾を受け取った五条は驚いた。
( 2級クラスだった呪具が特級クラスになってる… )
『…駄目だった??』
反応の無い五条を覗き込むように聞くと、五条は「ダメじゃないよ、ありがと♪」と笑った。
( 階級が上がっちゃったから真希には頑張ってもらわないとね♪ )
あすか から鉾を受け取り、五条は地下室を出ようとしたが、ふと足を止め、振り向いて あすか を見た。
「 あすか 、ホントにありがとね。
僕がちゃんと呪術師として高専に居られるのは あすか が居てくれるからだよ」
『急にどぅしたの悟ってば』
少し照れながら そう言うと五条は「言いたくなったの♪」と いつも通り笑って部屋を出て行った。
「素直な五条など気味が悪いな」
五条が去ってから、蒼は あすか にそう言うと、あすか は『そんな事言わないの』と笑った。
『悟はもともと素直なんだから』
☆ ☆ ☆
それから数日後、あすか の知らない所で地上では夏油が宣戦布告のために高専に舞い降りていた。