第3章 旅立ち
ある時、どこから知ったのか宿儺の屋敷を訪ねる者がいた。
「宿儺様、お助けください」
見れば初老の男性が立っていた。
宿「何用だ」
「遊郭の女達が次々に体調を崩しています。何かの呪いかと思い、お願いに参りました」
宿「様子は見てやろう。ただし、引き受けるかは呪いを確認してからだ」
「ありがとうございます」
初老の男性は頭を下げ、宿儺が遊郭へ行く調整を詰めた。
☆ ☆ ☆
初老の男性と共に遊郭へ訪れた宿儺。
宿⦅ これだから遊郭は嫌いなのだ……
怨み、妬み、嫌悪…色々な感情が渦巻いている…… ⦆
そしていかにも高そうな建物が現れた。
宿「なぜココだけ結界が張ってあるのだ?」
宿儺は初老の男性に聞いた。
「ココには太夫がおります ゆえ。
宿儺様にはココから呪いの有無を探していただきたい」
そう言われ案内された建物。
建物の中はきらびやかな雰囲気だが、宿儺は眉間に皺を寄せていた。
宿⦅ 呪力の無い者は幸せだな…
今にも呪霊が生まれそうなほど、いろんな者が居るのに、何も感じんとは……
しかし…、なぜこれだけ低級の呪霊がいるのに人に影響が出ないのだ…? ⦆
低級達を睨みながら、宿儺は建物の中を見回した。
「どうかされましたか?」
宿儺の様子に、不思議そうに声をかける初老の男性。
宿「ココの結界は誰が張っている?」