第11章 流れ
「あすか 、久しぶりぃ」
久しぶりにやって来た五条はいつもと変わらず明るい。
「来ずとも良かったのに…」
蒼を睨み付け、五条は あすか に今までの話を話して聞かせた。
「でね!
それ以降、俺ホントに最強になったわけ!」
子どものように話す五条に、あすか は優しく相槌をうった。
『そっか、悟はスゴいね。傑は?』
夏油の話を聞かれた五条は、黒いサングラスを外し、空を眺めた。
「最近は俺も傑も単独任務が増えちゃってさぁ、学校でも あんま ゆっくり話せて無いんだ」
『寂しい?』
「ん~、寂しくはないけど、物足りない感じ」
『そっか』
五条は 今までのように暇さえあれば あすか のところへやって来た。
だが、夏油は あまり来なくなっていた。
その日、久しぶりに夏油が あすか のところへやって来た。
『傑、久しぶりだね元気だった?』
いつも通り夏油に接する あすか だが、夏油の表情は冴えない。
『どうしたの?』
微かだが、夏油の呪力が乱れているため あすか は夏油に聞いた。
「………私の考えは正しいと思いますか…?」
夏油は小さく口を開いた。
『"弱きを助ける" ってやつ?
良いと思うよ。この世は呪術師、呪詛師、非術師、呪霊、いろんなもので成り立っているからね。
弱いものを救ってくれる人がいなければ非術師は滅んでしまうよ』
「私は……自分の考え方が正しいのか分からなくなってしまいました」
ポツリ、ポツリと話し始めた夏油。