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過去⏩️今 ~記憶の物語~[呪術廻戦]

第11章 流れ


『確かに、"守られて当たり前" って考えは少し違うかな?』

あすか の言葉に、でしょ?、と目を輝かせる五条に、あすか は『でもね』と言って話を続けた。

『悟たち呪術師も含めて、人間は弱い…。
悟も1人じゃ生きていけないでしょ?』

「そんな事ねェし」

唇を尖らせる五条を見て笑う あすか 。

『弱いよ。
今も昔も人間の社会は上下関係、財力…いろんな縛りが溢れてる。
呪霊には上下関係や財力なんて関係ないもの。縛られるものがない。
…ただ、"愛情" は厄介だよね。表裏一体だもの』

何を想っているのか、あすか はそう言った。

『悟にも、"守りたい何か" ができたら、今より強くなるかもしれないね』

「そんなものなんて無ェし」

五条は そう言って話題を変え、しばらく あすか との雑談を楽しんでから帰った。

「あすか …、お前や宿儺は強いぞ」

五条が帰ってから、蒼は あすか に言った。

『ありがとう。
でも、宿儺さまの弱点になってしまったのは私の存在だから…。
"愛情" って、お互いが固く結びついている時は強いけど、無意識のうちに力を弱くしちゃってるのかもね。
私が あの時もっと冷静だったら……。
宿儺さまが呪霊に喰われる事なんて無かった……。
宿儺さまを弱くしてしまったのは私………』

どろどろ とした感情が あすか の呪力を覆うと、パキン、と枝が折れる音がした。
それと同時に あすか から負の感情は消え、音のした方へ視線を向ける。

そこには黒髪の少年が立っていた。
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